【クアンガイ省 3月16日】
ベトナム中部のソンミ村(ミ・ライ地区)において本日、アメリカ陸軍部隊が組織的な無差別殺害に及び、多数の非武装住民を虐殺するという、戦慄すべき事態が発生した。同地を掃討作戦の対象としたウィリアム・カリー中尉率いる第1小隊らは、村に潜伏する敵兵の影を追う名目で、逃げ惑う老人や女性、幼い子供たちを執拗に銃撃。炎上する村は、一瞬にして凄惨な死の沼へと変貌した。
目撃者の証言によれば、米兵たちは家々に手榴弾を投げ込み、防空壕に隠れていた住民を引きずり出して射殺。水路に集められた数百人が機関銃で掃射されるという、およそ戦時下の規律を逸脱した凶行が繰り返された。生存者の一人は「赤ん坊を抱いた母親までが、至近距離から容赦なく撃たれた」と、震える声で惨劇の瞬間を語っている。
一方、空上の偵察機からこの光景を目撃したヒュー・トンプソン少尉は、自軍の蛮行に激昂。ヘリを住民と米兵の間に着陸させ、兵士たちに「これ以上住民を殺すなら射殺する」と警告。命懸けで数名の生存者を救出するという異例の事態も起きた。しかし、地上の指揮官らはトンプソン少尉の抗議を黙殺し、戦果報告には「敵兵128人を殺害」という虚偽の内容が盛り込まれようとしている。
現在、軍上層部はこの不都合な真実を闇に葬り去ろうとする動きを見せているが、凄惨な現場を撮影した写真や兵士たちの良心の呵責は、完全に拭い去ることはできないだろう。この「ソンミの悲劇」が白日の下にさらされた時、アメリカが掲げる「正義の戦い」は根本からその意義を問われることになる。
— RekisyNews 国際面 【1968年】
