パスポート発行に「電算機」導入 ── 外国渡航時代へ、事務を大幅短縮

【東京 3月16日】

外務省は本日、一般旅券(パスポート)の発行業務において、電子コンピューターによる一括管理システムを導入した。高度経済成長に伴う海外渡航者の急増や、現在開催中の大阪万博を契機とした国際交流の活発化に対応するため、事務作業の近代化を断行。これにより、申請から発行まで約3週間を要していた待ち時間が、約2週間へと大幅に短縮されることになった。

これまで旅券の発行は、膨大な台帳との照合や氏名の書き込みなど、その大半が職員の手作業に依存していた。今回、中央に大型の電算機を導入し、各都道府県の申請窓口と連携させることで、複雑な身分照会やデータ処理の迅速化が可能となった。外務省関係者は「これまでのような窓口の混雑や発行の遅滞を解消し、より円滑な出国手続きを実現できる」と期待を寄せている。

背景には、海外旅行の一般化がある。昭和39年の渡航自由化以降、日本人の海外進出は目覚ましく、昨年の旅券発行件数はついに70万件を突破。これまでの手作業では限界に達していた。さらに本年から始まった「電算化旅券」は、偽造防止の観点からも精度が向上しており、日本の信用力を高める一助となることが期待される。

万博に沸く日本において、空の旅はいよいよ身近なものとなりつつある。事務作業の「電脳化」という強力な翼を得て、日本人の世界進出は今後さらに加速することになるだろう。

— RekisyNews 行政面 【1970年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次