【東京 3月15日】
本日、最高裁判所第三小法廷(坂上壽夫裁判長)は、カラオケ機器を設置して客に歌わせていたスナックの経営者に対し、日本音楽著作権協会(JASRAC)が著作権侵害の損害賠償を求めた、いわゆる「クラブ・キャッツアイ事件」の上告審判決を下した。最高裁は被告側の上告を棄却し、店側の著作権侵害を認めた二審判決を支持。これにより、カラオケ利用に伴う著作権料の支払い義務が司法によって最終的に確定した。
本事件の最大の争点は、「実際に歌唱しているのは客であり、店側は機器を貸しているに過ぎない」とする店側の主張が認められるか否かにあった。しかし、本日の判決において最高裁は、「たとえ客が歌唱の主体であっても、店側がカラオケ機器を設置し、客の歌唱を管理・支配しており、かつその営業を通じて利益を得ている以上、店側が演奏主体であるとみなすべきである」との判断を示した。
この判断は、法律専門家の間で「カラオケ法理」と呼ばれる画期的な解釈となる。店側が直接演奏を行っていなくても、その環境を整えて商売を行っている場合は、法的に「演奏者」としての責任を負うという考え方である。
JASRAC側は「長年の主張が認められた正当な判決である」と歓迎の意を表している。一方、全国の飲食業界や急成長中のカラオケボックス業者にとっては、今後の営業コスト増に直結する衝撃的な判決となった。この「カラオケ法理」の確立により、日本のサービス産業における著作権管理の厳格化が加速することは確実であり、音楽文化の享受と権利保護のバランスを巡る新たな時代の幕開けとなった。
— RekisyNews 経済面 【1988年】
