【東京・新大阪 3月14日】
本日、東海道新幹線において新たな最速列車「のぞみ」がデビューを飾った。最新の技術を結集した新型車両「300系」の投入により、最高速度は時速270kmに到達。日本の大動脈である東京―新大阪間を、従来の「ひかり」を大幅に上回る2時間30分で結び、国内交通の歴史に新たな一ページを刻んだ。
早朝、東京駅で行われた出発式では、多くの鉄道ファンや関係者が見守る中、純白に青のラインを纏った「のぞみ1号」が滑らかにホームを離れた。300系車両は、徹底した軽量化を図るため、新幹線として初めてアルミ合金製の「アルミ大型中空形材」をボディに採用。電力消費を抑えつつ劇的なスピードアップを実現した。
今回の「のぞみ」登場により、ビジネスマンの移動時間は大幅に短縮され、航空機とのシェア争いにおいて鉄道側が強力な武器を得た形となる。一方で、1日2往復という限られた運行枠の中で、下りの一番列車が名古屋駅と京都駅を通過する、いわゆる「名古屋飛ばし」のダイヤ編成については、地元自治体や経済界から困惑と反発の声も上がっている。
JR東海は「新技術の導入により、日本の土木・機械技術が世界最高水準にあることを証明した」と自信を見せる。高速化への執念が生んだ「のぞみ」の疾走は、バブル崩壊後の日本経済を再加速させる希望の光となるのか。今日から始まった時速270kmの衝撃は、全国の都市間輸送のあり方を根本から変えていくことになるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1992年】
