Linuxカーネル「1.0.0」正式公開 ── フリーソフトの新時代、実用化へ

【ヘルシンキ 3月14日】

フィンランドのヘルシンキ大学において本日、若きプログラマー、リーナス・トーバルズ氏(24)が開発を進めてきたOSの基幹部品「Linuxカーネル」の記念すべきバージョン1.0.0が正式にリリースされた。1991年の初公開以来、インターネットを通じて世界中の有志が改良を重ねてきた「自由なソフトウェア」が、ついに一つの完成形を迎えた。

Linuxは、高価な商用UNIXに代わる、Intel 80386プロセッサ搭載のPC上で動作する無料のOSとして開発された。本日公開された1.0.0では、ネットワーク機能(TCP/IP)の完全なサポートや、メモリ管理の最適化が行われており、個人の趣味の領域を超えて、学術研究や小規模なサーバー構築における実用性が大幅に向上している。

リーナス氏はリリースにあたり「これはあくまで一つのマイルストーンに過ぎない」と謙虚に語ったが、特定の企業に依存せず、誰もがソースコードを閲覧・修正できる「オープンソース(自由な配布)」のモデルが、これほど大規模なシステムとして結実したことは、ソフトウェア産業全体に大きな一石を投じている。

マイクロソフトやIBMといった巨人が市場を独占する中で、国境を越えたハッカーたちの共同作業によって生まれたLinux。本日発表されたバージョン1.0.0は、将来的にインターネットのインフラや科学技術計算、さらには家庭用電化製品までをも動かす巨大な潮流となる可能性を秘めている。

— RekisyNews 技術面 【1994年】

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